April 10, 2020

EMURGOのトレーサビリティソリューションがサプライチェーンの透明性と健全なビジネス環境を実現する

EMURGO

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「トレーサビリティ」とは、製品がどこで、どのように製造されたかという情報を入手できること、あるいは、あるものを見つけ出して追跡ができること、と定義することができるでしょう。ブロックチェーン技術においては、保存されたデータ/情報の変更を把握し、追跡できることを意味します。サプライチェーンにトレーサビリティを導入すると、商品の情報やデータの移動を検証することができ、非常に有用です。

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EMURGOは、開発者、スタートアップ、エンタープライズ、公共機関にソリューションを提供する、グローバルなブロックチェーン企業です。Cardanoプロトコルを創設した企業の一社として知られるEMURGOは、日本、インド、米国、インドネシアなど複数の国でさまざまなプロジェクトに関与しています。

EMURGO Indonesiaは、エンタープライズ向けブロックチェーンの追跡ソリューションである、EMURGOトレーサビリティソリューションを提供しています。このソリューションは、ブロックチェーンの透明性や不変性といった特徴を活かし、情報やデータの正確性に対する要望に応えるものです。

インドネシアにおけるサプライチェーンは非常に難しい問題を抱えていますが、その理由の一つが、世界最多の島嶼を抱える島国であるがゆえの複雑さと分断された状況にあります。商品の分配チャネルに関する情報やデータを検証することは困難です。紙を主体とした記録の体制や、十分にコンピューターを活用できないことなど、関係者から見て、現状は理想的な環境にはほど遠いものです。

ブロックチェーンにはこの問題を解決する非常に大きな可能性があると、EMURGOは考えています。サプライチェーンに導入されるブロックチェーンアプリケーションが、商品の分配データの正確性を検証することができます。また、ブロックチェーンの不変性は、入力されたデータや情報をいかなる方法で変更することも認めません。これにより、商品の分配に伴い生じうるあらゆる改ざんを最小限にとどめることができるのです。

さらに、商品の分配プロセスに関与するすべてのステークホルダーが、既存の情報にアクセスできるようになります。製造業者は、自社の製品がどこに配送されたか、最終価格はいくらであったかを知ることができます。一方、消費者は、商品が手元に届くまでの履歴を把握することができます。

これまでは、生産者は自社の商品が生産後にどこに送られ、最終的に誰の手に届くのかを把握することはできませんでした。商品がどのような経緯をたどるのか、完全な情報を知ることができるのは、サプライチェーンデータにアクセスできる人だけだったのです。消費者もまた、商品の起源については、正当性の検証できない販売者の情報しか得ることができませんでした。

しかし、ブロックチェーンの透明性により、すべてのステークホルダーは簡単に既存の情報にアクセスできるようになり、問題の解決を図ることができるようになります。

広範なリサーチを経て、EMURGOのエンタープライズユニットは、Cardanoブロックチェーンプロトコルに基づくソリューションであるEMURGOトレーサビリティソリューションを開発しました。このソリューションは、サプライチェーンにおけるトレーサビリティの問題を解決し、携帯電話からでも簡単にアクセスすることができます。

Blue Korintji CoffeeへのEMURGOトレーサビリティソリューションの導入

EMURGOトレーサビリティソリューションが6か月の期間を経て提供開始されると、地元のコーヒーブランドであるBlue Korintji Coffeeの協力により、サプライチェーンシステムへの導入が決定されました。

Blue Korintji Coffeeは、スマトラのクリンチ山のアラビカコーヒー豆を扱う地元のコーヒーブランドです。独特の風味豊かなコーヒーではあるものの、以前にはクリンチコーヒーの知名度はほとんどありませんでした。しかし、2017年に国内のフェスティバルでベストコーヒーに選出されたことで、その名が知られ始めます。Blue Korintjiは、クリンチコーヒーの潜在力の高さに目をつけ、地元のコーヒー協同組合(ALKO)との提携を開始、クリンチ山のふもとに位置するプランテーションでコーヒービジネスを立ち上げました。

EMURGOトレーサビリティソリューションにより、Blue Korintji Coffeeはプランテーションからコーヒーカップまで、コーヒー豆のストーリーをすべて顧客に提供できるようになります。コーヒー豆を収穫した生産者の名前、たどってきたチャネル、Blue Korintji Coffeeの小売店や購入者のマグカップに至るまでにかかった日数といった情報すべてにアクセスできるようになるのです。

現代のコーヒー愛好家は、提示された情報に高い関心を持ち、批評的な態度を示します。また、購入されたコーヒーについて知ることがコーヒー生産者の生計を助けることにつながるため、愛好家たちの満足度にも寄与します。こうした理由から、コーヒー豆がコーヒーカップに辿り着くまでの経緯は、地元のコーヒーブランドにとって重要な付加価値であると言えるのです。

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Blue Korintji CoffeeへのEMURGOトレーサビリティソリューションの導入について、詳しくご紹介しましょう。

  • プロセサーはコレクターからコーヒーを受け取ると、請求書に基づき、コーヒーや関係者のデータをアプリケーションに入力します。
  • その後プロセサーはコーヒーをロースターに送り、追跡コード、処理日などの関連データを更新します。
  • ロースターはシステム上の出荷番号や重量情報などに基づき、受け取ったコーヒーを確認します。
  • ロースターはコーヒーの処理を行った後、香りなどの特徴をアプリケーションを介してシステムに追加します。
  • ロースターは店舗にコーヒーを出荷する際にQRコードを発行します。
  • 店舗のバリスタはQRコードをスキャンして受領品を確認します。もう一度QRコードをスキャンして、開封した日付情報を更新します。このQRコードを印刷して表示することで、消費者が直接確認できるようにします。
  • 消費者はQRコードをスキャンすることで、購入したコーヒーのストーリーを知ることができます。

EMURGOについて

EMURGOはCardanoブロックチェーンの導入を促すだけでなく、Cardanoの分散型ブロックチェーンエコシステムを採用しているプロジェクトや組織を創出し、投資やアドバイスを行うことによってCardanoブロックチェーンの利便性を向上させます。ブロックチェーンの研究開発から得た専門知識および業界パートナーとのグローバルなネットワークを活かし、組織や人材教育等の支援を行っています。プロジェクトの詳細については、https://emurgo.io/jaをご覧ください。

EMURGOに関するお問い合わせ
株式会社EMURGO Co., Ltd
広報担当 フローリアン、三本
pr@emurgo.io

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